なりわい(生業)とは働くことですが、生きるための糧を得るという意味で非日常である祭や伝統にまで思いはひろがりました。
ゆたかな海からの糧、わたしたちはどれほどのものを海からもらったのだろう。
そしてどれだけのものをどんな姿で、海に返すことができるのだろう。
伊勢湾・志摩半島・熊野灘、三重県の海岸線は約1000キロ、海藻が生い茂り、さまざまな魚介類がとれる豊かな漁場がありました。しかし近年の温暖化による磯焼けなどの影響によって、年々あらゆる漁獲物が減少しています。春の風物詩であったコウナゴ漁は、ここ9年ほど禁漁が続いていますし、アワビが食べる海藻のサガラメ(アラメ)、アワビも志摩半島では南からほぼ姿を消しつつあります。
今回展示している作品は、2006年から2023年の間に撮影され、阪本さん自身が記憶にとどめるべき「海のなりわい」の様子です。伊勢湾・志摩半島・熊野灘、とれる魚種やとれる季節、それぞれの漁村で特徴があります。そんな漁村のさまざまな変化を憂いながら、「海のなりわい」の厳しさ、たくましさ、また喜びを長年漁村と向き合ってきた阪本さんの作品から感じていいただければと思います。
伊勢工業高校建築科による当館での展示は、 2022年全国建築設計コンペ最優秀作品展「町の大漁旗」、2023年建築模型展「故郷の海」に続き3回目になります。今回は規模を大きくして特別展示室での開催となります。
今回の「浜の集落」は、建築科 生徒の浜にまつわる建築の図面と模型を展示。またスマホを使用して、CGを現実世界と重ねて映し出せるAR(拡張 現実)技術を使った展示も試みます。高校生の発想と努力の成果をご観覧いただくとともに、建築に興味のあるかたにはよりいっそう楽しんでいただけることと思います。
答志島は、鳥羽湾に浮かぶ有人離島の中で一番大きな島、周囲約26キロの島内には答志、和具、桃取の3つの地区があり、令和5年9月現在、約1750人が暮らしています。島に暮らす約8割の人々が漁業に従事、美味しい魚などを求めて観光で訪れる人も多く、島内には10軒あまりの宿泊施設があります。
鳥羽からの航路は和具~答志航路と桃取航路があり、島の屋根には、和具と桃取を結ぶ約6キロの「答志島スカイライン」が走っていますが、島内にバスなどの公共交通機関はありません。
答志の歴史は古く、大筑海島(おづくみ)には、縄文時代と考えられる貝塚があり、蟹穴古墳は、古墳時代(7世紀)の須恵器(国の重要文化財)が出土しています。奈良時代の平城宮出土木簡には、答志郷から「堅魚」(かたうお・かつお)、「多比」(たい)、「貽貝」(いのかい)、「加自米」(かじめ)、「名止毛」(なのりそ・あかもく?)、「海藻根」(まなかし・めかぶ)、「塩」(しお)など、和具郷から「堅魚」、「鯛」、「貽貝」、「海藻」(にぎめ・わかめ)、「伊祇須」(いぎす)、「名乃利毛」(なのりそ)などの記銘がみえ、答志島の海産物が奈良の都に届けられていたことがわかっています。
さらに答志島は、戦国武将・九鬼嘉隆ゆかりの地でもあり、和具地区には嘉隆の「首塚」や「胴塚」があります。そして九鬼の時代に始まったといわれる「寝屋子制度」は、全国でも答志地区だけに残る制度で、中学校を卒業した男子数人が一定の期間「寝屋親」の家で過ごし、その後生涯の兄弟、親子の絆を結びます。
今回の特別展は、3つの地区のうち距離の近い答志地区と和具地区について、近年の漁業の実情と100年以上前の漁業の記録や古い写真、海女漁の出稼ぎや取り決め、博物館が所蔵している漁具類、答志島の名所などを展示・紹介することで、離島の漁村の現状と漁業の歴史(移り変わり)について理解を深めてもらおうと企画しました。
主催:鳥羽市立海の博物館
付属イベント①答志島をめぐるツアー
日時:2025年3月16日 (日)
集合:マリンターミナル
時間:10時集合(10時40分の定期船に乗ります。帰り14時20分鳥羽行きに乗船予定)
参加料:3500円+定期船代1100円(往復)
定 員:
ガイド:島の旅社
付属イベント➁寝屋子映像鑑賞会
付属イベント③展示ガイド
比喩として「海の〇〇」と呼ばれるものには、「なるほど、確かに」と思うものも、「へぇ~、そうなんだ」と意外に感じるものもありますが、総じてその性質や形状をよく表しています。例をあげると、当館が所在する鳥羽市浦村町で養殖が盛んなカキは、まろやかな味わいや栄養価から、一般的に「海のミルク」と表現され、多くの観光客が舌鼓を打つ人気の海産物です。
本展は「海の〇〇」とたとえられる海の生物や関連事象について漁獲道具や絵図などを交えて紹介することにより、生態の面白さや多様性、意外な(?)栄養価の高さ、海産物利用の歴史や人との密接な関係性などを学び、様々な面から海への興味を高めていただくことを目的に企画いたします。
① ➁
③
①海のギャング ➁海のパイナップル ③海のミルク
主催:鳥羽市立海の博物館
付属イベント①サメの歯とウニのトゲでストラップ作り
自然と何回も生え変わるサメの歯や、とがっていないパイプウニのトゲを使って、オリジナルのストラップを作りましょう。
日時:2024年7月15日(月・祝)と8月12日(月・祝) 10時~15時場所:体験学習室
参加料:800円
定員:時間内随時受付※材料がなくなり次第終了します。
付属イベント➁たとえるならばどんな臭い?海のくさ~い食べものオールスターズ
世界一くさい食べものと言われるスウェーデンのシュールストレミング(ニシンの塩漬け)と、世界で2番目とされる韓国のホンオフェ(発酵させたエイの切り身)、さらに日本のくさやと、世界の海のくさい食べものオールスターが一堂に会します。あなたならこのにおいを何にたとえますか?
網・竿・綱・疑似餌・浮標など、漁師は対象の魚種や漁をする地形などによりさまざまな道具を使用します。現在、漁具の多くは化学繊維・プラスチック・金属など工業製品からできています。しかし、且つてそれらの多くは、漁師自身が手仕事で制作し(一部は専門の職人が製造)、金属部を除いて材料の多くは、木材や麻・木綿、竹など自然素材を利用していました。
本展では漁具の材質的な変化を通じて、獲物の習性や海中の地形的特徴、海流の変化などを鋭い目で見極め、試行錯誤を繰り返してきた、漁師たちの工夫と苦労の歴史を感じていただきたいと思います。また海岸への漂着物のなかには漁具の破片も含まれることから、海洋プラスチック問題にもふれ、漁業と地球のこれまで・いま・これからについて考えていただきたいと思います。。
① 網の手しごと
エビ網など(麻・綿・木など)の漁網、コウナゴ掬い(木)・制作用具 など
②釣る道具の手しごと
カツオ一本釣りの竿(竹→グラスファイバー)、疑似餌(木)・制作用具 など
③ 曳く、掻く道具の手しごと
ハマグリの曳きカゴ(竹)、ろくろ(木)、天草掻き(木・竹)・制作用具 など
④ 入れる、運ぶ道具の手しごと
漁獲物を入れるまたは運搬するカゴ・袋(竹・藁・綿など)、など
⑤ 漁師の道具と海の環境
鳥羽の浜に漂着した、漁具の一部とみられる人工物の材質から、海の環境と漁業の未来を考えてもらうコーナー。
三重県鳥羽市は、全国で最も多く海女が活躍する地域です。三重大学では、2018年度から「鳥羽市景観計画」の策定と並行し、「海女集落らしい景観とはどのようなものか?」を課題として、景観に関する調査を進めてきました。対象とした集落は、特に海女が多く活躍する石鏡、国崎、相差、答志、和具、菅島、神島の7集落です。調査では、3000棟を超える建築物の形態、形状に関する分析、建設時期の古い民家、海女小屋、社寺などの実測調査、公共施設やサイン等の分布や内容の確認などを実施してきました。調査の結果は、令和3年に施行された「鳥羽市景観計画」にも反映され、7つの海女集落は鳥羽市にとって欠かせない景観として「重点候補地区」にも指定されています。この展覧会は、重要な景観資源として実測等の調査を行った約30棟の「海女小屋」について紹介するもので、着彩図面等を通して「海女小屋」の魅力を考えます。会期中には安藤邦廣氏(筑波大学名誉教授/里山建築研究所主宰)、小林良平氏(ユナワゴアーキ代表)の2つの講演会も企画しましたので、ふるってご見学、ご参加ください。
主催:大井隆弘(三重大学)・浅野聡(國學院大學)+三重大学大学院工学研究科大井研究室(鈴木航太・奥村玲那・大北拓真)
海女小屋とは、どのような性格を持つ建物なのでしょうか。2つの講演会を通して、その位置づけや見方を考えます。ぜひご参加ください。
【講演会① 生業小屋から海女小屋を考える】
日時:6月8日(土)13時30分~
① 全国の生業小屋に関する講演(90分)安藤邦廣
② 鳥羽の海女小屋実測調査結果報告(30分)大井隆弘
③ 生業小屋から海女小屋を考えるディスカッション(30分)
講演者:安藤邦廣氏(建築家/筑波大学名誉教授/里山建築研究所主宰)
全国の生業小屋に関する調査研究を行い「小屋と倉/干す・仕舞う・守る・木組みのかたち」著す。日本の木造伝統構法の研究。特に茅葺き民家や小屋と倉に関する研究をおこなう。また板倉構法による東日本大震災の応急仮説住宅と復興住宅の設計をする。
【講演会② 漁師小屋から海女小屋を考える】
日時:6月15日(土)13時30分~
① 漁師小屋の実測調査から分かること(90分)小林良平
② 海女小屋の誕生と変遷(30分)大井隆弘
③ 漁師小屋から海女小屋を考えるディスカッション(30分)
講演者:小林良平氏(ユナワゴアーキ代表)
東日本大震災からの復興の過程で、石巻市の漁師小屋について詳細な実測調査を実施
お申込みフォーム↓↓↓
*講演会費は無料です。ただし入館料が必要です。
伊勢市大湊は、古来より造船の町として知られていますが、明治39(1906)年~41(1908)年にかけて日本最初の動力付き漁船「冨士丸」や三重県初の動力付き漁船「南島丸」が建造されたことはあまり知られていません。今回の特別展は、江戸時代、元禄年間(1688~1703)の創始で、昭和53年頃まで大湊において、数多くの船を造り続けてきた旧市川造船所が残したカツオ一本釣り漁船関係の図面や写真資料を展示紹介します。日本各地の鰹漁などに大きな影響を与えた「冨士丸」、県内の鰹漁船の先駆けであった「南島丸」、その後に市川造船所で建造されたカツオ漁船にかんする資料を展示することで、漁船の動力化の始まりと発達について理解を深めてもらえる特別展です。
主催:伊勢市、鳥羽市立海の博物館
■関連イベント
「ミュージアムトーク&焼玉エンジン動画鑑賞」
講師:伊藤政光(鳥羽商船高等専門学校名誉教授)
平賀大蔵(鳥羽市立海の博物館館長)
日時:令和6年1月20日(土)、2月24日(土)、3月23日(土)
13時30分~14時30分
参加:無料(要入館料)
■関連展示
伊勢市冬季企画展「大湊 船と人~歴史を刻む旧市川造船所資料」
日時:令和6年1月16日(火)~1月29日(月)9時~17時
場所:いせ市民活動センター(いせシティプラザ)北館1階ホール
女子美術大学の学生・教員と、鳥羽の海女さん・海女で写真家の大野愛子氏によるコラボレーション作品展です。
鳥羽ストーリーズ・アートプロジェクトの第 3回目となる本活動は、人と人をつなぎ、心に「タッチ」することで、多様な価値観や予期せぬ結果を生み出すことを目的としています。海女と工芸に焦点を合わせることで、鑑賞者が暮らしや生き方について新たな視点を得ることを期待しています。 展示作品は、2023年の夏、ガラス・陶・織・芸術文化などを学ぶ女子美術大学の学生と教員が鳥羽市に6日間滞在した際のフィールドワークから着想を得たものです。海に関する調査を行い、海女さんに会って話を聞き、ライフスタイルを直接体験しました。 大学に戻った後は、個々の作品制作に加え、海女さんの料理に合わせた テーブルウェアを創作するグループワークを行いました。大野愛子さんは「海女のお弁当」の写真シリーズの延長線として、鳥羽で作品と海女料理の撮影を行いました。 展覧会には、芸術文化専攻学生によるテキストも展示され、創作のプロセスを更に知ることが出来ます。
A collaborative exhibition of artworks and written text by students and faculty of Joshibi University of Art and Design, ama diver/photographer OHNO Aiko, and fellow ama divers.
This is the third Toba
Stories Art Project bringing people together based on the belief that the ‘touching’ of hearts leads to valuable new
insights and provides a catalyst for unforeseen outcomes. Through the combined
focus on ama divers and craft, it is hoped that viewers might gain fresh
perspectives into ways of living. The exhibited artworks are inspired by
fieldwork conducted in the summer of 2023, when Joshibi University faculty and
students studying glass, ceramics, weaving, and art & culture spent 6 days
in Toba city. They did ocean related studies and met with ama divers to listen
to their stories and gain firsthand experience of their lifestyle. After
returning to the Joshibi campus, in addition to making individual artworks,
they engaged in groupwork to make tableware to be used for food cooked by ama
divers. The tableware and food were then photographed in Toba by OHNO Aiko as
an extension of her previous photo series of “Ama Diver
Lunchboxes”. Texts by Joshibi’
s art and culture students and others are included in the exhibition to give
additional insight into the creative process.
主催:女子美術大学、鳥羽市立海の博物館
■関連イベント
【オープニング・イベント】
日時:2024年1月6日(土)11時~12時
「海女と工芸」のコラボレーションについてのトーク・イベント。
スピーカー:リンダ・デニス / 加藤尚子 / 大野愛子
ファシリテーター:石原真伊
参加:無料(要入館料)
【クロージング・イベント】予定
2024年3月10日(日)13時~14時
伊勢エビは“三重県のさかな”に指定される、本県を代表する海産物です。
漁獲方法には刺し網をはじめ潜水漁、カゴ漁など様々な漁法があり、秋期~初春にかけての旬の味として食されてきました。また他のエビと同様、髭のような触覚があり、加熱した時には曲がった腰に赤い体色となることから、長寿や幸福の願いを込めるアイテムとして、祝い膳や慶事の飾りに利用してきました。さらに身をとったあとの殻は子どものはしかの薬として利用されるなど、単なる豪華な食材としてだけではなく、日本人の生活と多様に関わってきました。
当地域だけではなく、日本全体で食文化・信仰とも関係の深い伊勢エビを通じて、人と海との密接な関係、海産物の伝統的な利用と奥深い魚食文化、多様な漁撈習俗などについて学んでいただければ幸いです。
≪展示構成≫
①伊勢エビの歴史と食
伊勢エビは食卓にあがれば住民はもちろん、伊勢や鳥羽志摩へ訪れた旅人たちを喜ばせ、当地域の海産物や魚食の豊かさの象徴的な存在となってきました。本章では、伊勢エビの漁獲や流通、食利用などに関する歴史的な資料、現代の伊勢エビアート(段ボールアート・彫刻など)や、伊勢エビを利用した伊勢志摩の土産物などを展示します。
②伊勢エビのとり方いろいろ
伊勢エビは主として刺し網(獲物を仕掛けた網に絡ませる漁法)で漁獲しますが、ほかにもカゴや海女の潜水漁でもとられ、当地域には天敵であるタコで驚かせて逃げ出したところを漁獲する、全国的にも珍しいとり方があります。本章では、伊勢エビ漁に実際利用された漁具を、素材や形状の変化も含めて多数展示しするとともに、漁師たちによる資源ほどのための取り組みについても紹介します。
③祭りと伊勢エビ おめでたくて、邪をはらう
本章では、漁村における祭礼や儀礼、まじないなどで使用される、伊勢エビを利用したまたはかたどった道具類を展示し、日本人の信仰と海の生物との密接な関わりを解説します。志摩市浜島町で行われる“伊勢えび祭り”で使用される神輿も展示予定。
④伊勢エビ研究最前線とこれから
三重県では伊勢エビの資源保護や増産に向けて、専門機関において日々研究が続けられています。生まれたての幼生の段階ではエビとは似つかない透明なクモのような形状をしているなど、その生態も非常に興味深いものです。そこで、三重県水産研究所等の協力を得て、伊勢エビ研究の最新の成果やその生態をわかりやすく解説し、海の生きものの生態に興味を持っていただきたいと思います。
① ➁
③ ④
①「広重魚ゑらび」の伊勢エビの図 ➁まるでクモ?伊勢エビの幼生
③伊勢エビが付いた、しめ縄とアラクサ ④喧嘩する伊勢エビ
主催:鳥羽市立海の博物館 後援:鳥羽磯部漁業協同組合 特別協力:船の科学館「海の学びミュージアムサポート」
付属イベント① 三重のさかな・伊勢エビ料理教室
伊勢志摩の特産品。伊勢エビがさらにおいしくなる調理法を学びましょう。
日時:2023年10月28日(土) 10時~13時場所:鳥羽市立海の博物館体験学習室
参加料:2500円
定員:15名(要事前申込)
講師:松浦貞勝(三重県技能士会会長)
付属イベント➁ エビ網は生きものの宝箱
海から引き上げた刺し網(エビ網)にくっついた生きものを、網からはずしながら観察します。とれたもので作る漁師汁付。運が良ければ伊勢エビ汁になるかも。付属イベント③自由研究応援企画「伊勢エビってどんないきもの?」
生物の専門研究機関である三重県水産研究所(志摩市浜島町)を訪れ、伊勢エビ食性や習性、成長過程ほか最新の研究内容をわかりやすく解説してもらいます。自由研究どうしよう( ;∀;)というあなた!これに参加すれば大丈夫!場所;三重県水産研究所 *現地集合、解散
付属イベント④ 水族館連動企画「今日はまるごと伊勢エビ時間」
海の博物館にて漁法や食利用について学び、鳥羽水族館にて特別なバックヤードツアーで生態や食性、成長過程などについて学習します。場所;鳥羽市立海の博物館、鳥羽水族館
*海の博物館集合、水族館へは参加者各自にて移動手段を確保
付属イベント⑤ ミュージアムトーク
展示内容をより深く理解してもらうための、担当学芸員による解説です。食や信仰、芸術など、伊勢エビと日本人の生活との多様な関わりを、わかりやすく解説します。伊勢エビを材料にしたおみやげお菓子の食べ比べ付き。場所;鳥羽市立海の博物館
「山と港」編として、7月17日(日)~9月2日(土)の間、鳥羽市内にあるカフェMUSEAにて、「日和山」のユキノシタやフユイチゴ、「城山公園」の低山に育つ植物コバノタツナミやヒメウツギ、「佐田浜」ではハマエンドウなどカフェ近辺で観察できる植物を紹介し、そのあと海の博物館のギャラリーでは、「海と島」編として、博物館のある「浦村」そして離島「菅島」と「神島」で観察できる植物を紹介します。
「浦村」の海岸では、ミヤコグサ、ハマダイコン、コウボウシバ、ニガナ、オオジシバリなどが観察できます。離島「菅島」ではトウダイグサやイワタイゲキなど灯台のある島らしい名前の植物やアリドオシやオオバウマノスズクサ、カンアオイ、コゴメウツギなどが見られます。島が大きく標高もあるため時間はかかりますが数多くの植物を観察できます。「神島」ではタイトゲメやアゼトウナ、ハマカンゾウ、鳥羽では少なくなっているハマゴウなど海浜性植物が観察でき、タチツボスミレやケキツネノボタンなど低山に育つ植物も観察できます。海岸から灯明山山頂(170m)まで1kmほどしかないため短時間で海と山の植物を観察できるのも特徴です。
今回、鳥羽出身のしまたね(グラフィックデザイナー)とおおたはるか(画家)が、鳥羽市で観察できる約100種以上の植物を写真や拾い集めた実物の種、アート作品などで紹介します。
「山と港」編
前期:2023年7月17日(月・祝)~2023年9月3日(日)
場所:カフェMUSEA
「海と島」編
後期:2023年9月5日(火)~2024年1月4日(木)
場所:海の博物館ギャラリー
昨年(2022年)5月、鳥羽市の離島・菅島にある「菅島灯台」が国の文化審議会から重要文化財(建設物)に指定されました。また菅島灯台は、明治6(1873)年7月1日に完成、レンガ造りの日本最古の灯台として設立150周年を迎えます。これらを記念して、海の博物館では鳥羽海上保安部と共催で記念展を開催します。
菅島は、周囲約12キロで東南は太平洋に面しており、北方の答志島、西方の坂手島とで鳥羽湾を形成しています。この付近周辺には数多くの岩礁があり、古くから船人を悩ませ、幾多の人命が海の藻屑と消え、船乗りたちは「鬼ケ崎」と呼んで恐れていたといいます。
江戸幕府が成立して、人口が年々増加し、江戸では食糧が不足し始めます。そこで幕府は海路はるばる奥州より米を船で運ぼうと、寛文12(1672)年、河村瑞賢の説く東北の酒田港より日本海を回って下関を経て、大阪を経由する西まわり航路を整備します。ただこの航路のうち、菅島付近で難破する船が続出、寛文13(1673)年、幕府は、菅島に「かがり火小屋」を設けてかがり火を焚き、これを船からの目標として船の安全を守ろうと試みます。これが「菅島灯台」の始まりです。
「かがり火」は、当初は露天で火を焚いていたようですが、露天では雨が降れば火は消えてしまい、風が吹けば火災の恐れがあり、任務を全うすることが難しいため「幕府は鳥羽藩主内藤飛騨守忠政に命じて<かがり火小屋>(のちに篝火堂)を建てさせた」と伝わっています。
明治4(1871)年になると、明治政府は「篝火堂」(明治6年6月30日まで火を灯す)を廃止して、洋式の「菅島灯台」の建造することに決め、イギリスの灯台建築技術者リチャード・ヘンリー・ブライトンらを招いて、灯台建築を依頼し、日本人の大工、石工、土工、雑役夫多数とともに明治5年1月に着工、一年半後の明治6年7月1日に「菅島灯台」が完成します。
菅島灯台の建材の大半を占めるレンガは、当時日本にはなく、ブライトンは必要なレンガをイギリスから輸入するように上申するも政府は許さず、志摩地方で製造するように命令がくだります。ブライトンは、志摩地方全域にわたって調査し、その結果、志摩郡阿児町神明の土が適していることがわかり、試作に成功し、瓦屋職人山崎某にその製法を教え、レンガを製造させます。またその後渡鹿野島で良質の土が発見され、その土もレンガ造りに使用されたことがわかっています。
菅島灯台は、昭和34(1959)年に自動式に切り替えられ、無人化になります。それまで使われていた灯台守の宿舎は、昭和39(1964)年に愛知県犬山市の明治村に移築され、1968年に重要文化財に指定されました。菅島灯台は、2009年に「国の近代産業遺産」、2010年に「国の登録有形文化財」に指定されました。
今回展示する資料は「篝火堂の模型」、「篝火堂の瓦」、「菅島灯台の模型」、「菅島灯台使用の煉瓦」、「明治初期の伊勢の海の海図」など。会場は海の博物館フォト・ギャラリーです。
三重県鳥羽市小浜町は、鳥羽市の最も北に位置する海辺の集落です。令和5年現在、戸数396戸、人口753人が暮らしており、鳥羽磯部漁業協同組合の正組合員13人、准組合員29人の計42名の漁師たちがタコツボ漁、釣り漁、刺網漁、ワカメ養殖、カキ養殖などを営んでいます。
大正10年頃(いまから100年前)の『三重県漁村調査』によると、小浜の戸数は189戸、うち専業漁業141戸、兼業漁業20戸とあり、総人口1077人のうち漁家人口が810人を占めていて、ほとんどの家が漁業で生計を立てていた「漁村」であったことが記録されています。
当時の小浜の漁業種類は「鯔建切網(ぼらだてきあみ)漁業」(1組)、「雑魚延縄(ざつぎょはえなわ)漁業」(150艘)、「雑魚釣(ざつぎょつり)漁業」(150艘)、他に「瀬建網(せたてあみ)漁業」(12艘)、「手繰網(てぐりあみ)漁業」(12艘)などで、鯛、蛸、黒鯛、鱸、鮃が多く捕れ、鮫、鰈、鰆も捕っていたことが明記されています。
小浜地区は、旧海の博物館が立地していた場所から一番近い漁村です。従って、博物館が漁村資料の収集活動を始めた昭和45年頃から50年代には、小浜の漁家から、鯔建切網漁、鯛延縄漁、一本釣漁などに使われた数多くの漁具や漁具製作に使った資料を寄贈していただきました。
今回の特別展では、小浜の漁家から寄贈され、文化財収蔵庫内で大切に保管している漁具やその製作道具類を中心に展示して紹介をします。これらの資料は、江戸から明治、大正、昭和の時代に天然素材を材料に手作りでつくられ、漁師たちに使われてきたものです。また展示場では、小浜の人々に伝わる漁や魚にまつわる小噺や言い伝えを紹介、古い写真なども展示します。そして、現在も済渡院(お寺)の境内に建つ「鯐」(すばしり)、「鯔」(ぼら)、「鰶」(このしろ)、「螠」(ゆむし)を供養する5つの石碑「南無阿弥陀仏鯐鰡供養塔」(2基)、「南無阿弥陀仏鯐鰡鰶供養塔」、「南無阿弥陀仏螠供養塔」(2基)について、その設立の年月日、碑文の記録などを紹介することで、小浜周辺の海で現在では考えなれないような「鯔の大漁があったこと」、また螠をとるための漁師の知恵と工夫が「鯛の豊漁に繋がったこと」などをお伝えします。
漁師たちの知恵や工夫がつまった多くの種類の漁具、大漁や豊漁の喜びと魚介を供養する漁村の暮らしなど、ひと昔前の鳥羽の漁村「小浜」を知っていただける展示です。
昨年5年ぶりに鳥羽志摩の海女人数調査を実施しました。最初に調査をおこなった昭和47(1972)年約4000人いた海女さんも、514人と8分の1に減少しました。今そのほとんどが60代~70代、この先10年後20年後の海女の存続が危ぶまれています。高齢化後継者不足はもちろん、海の環境の変化は、漁獲物の減少にも大きな影響をあたえ、海女の減る原因にもあげられます。この現状や海女文化をもっと広く伝えるべく、今回はアート作品、それも若手のアーティストたちによる多様な作品によって、興味を持っていただければと思いました。表現し続けるアーティストたちも、海だけでなく環境の変化を敏感に感じ、作品を制作し続けています。自分の息だけで、自然に逆らわず、とりすぎない漁をする稀有な存在である海女、作家たちにどのようにうつるのでしょうか?
今回、抽象画や版画、イラスト、写真やコラージュ、そしてダンスなど異なるアプロ―チで【海女】表現しています。海女文化を身近に感じていただくとともに、新たな若い世代の海女ファン作りに一役買うことができればと思っております。
In Toba-Shima region, the number of Ama divers has
decreased to one-eighth over the last 50 years, from about 4,000 to 514. Most of them are now in their 60s and 70s, so
the existence of Ama in the next 10 to 20 years is facing a serious risk.In addition to the aging population and lack
of successors, changes in the marine environment have a major impact on the
decline of catches, which contribute to the crisis.
In order to spread the word about this situation and the culture of Ama, we hope to stimulate interest in Ama culture through a variety of artworks by artists with ties to Mie Prefecture and the Toba Sea Folk Museum.
The
artists also continue their creation being sensitive to changes in the
environment. How do they see Ama, a
unique and rare group of fishermen who dive into the ocean with simple fishing
tools using their own breath, and catch only what the nature allows them to?
The exhibition will feature works that depict the
Ama through different approaches, such as abstract paintings, prints,
illustrations, photographs, collages, and dance. We hope this exhibition will
help visitors familiarize with the culture of Ama and create a new generation
of Ama fans.
展示アーティスト(あいうえお順) プロフィールPDF
・いとうひでみ(イラスト2点)イラストレーター
・稲垣美侑(油絵1点、水彩1点) 画家
・ウィギーカンパニー(シルクスクリーン 2点) 図案家
・大野愛子(写真コラージュ) 2点 フォトグラファー、海女
・荻野夕奈(アクリル画 2点) 画家
・リー・クラッチ(岩絵の具 1点) アーティスト
・後藤美月(アクリル画コラージュ2点)イラストレーター
・ダダオ (モビール彫刻) グラフィックデザイナー
・リンダ・デニス (エンボス1点、版画1点) アーティスト
・長嶋祐成 (水彩1点)魚譜画家
・ゾエ・ポーター(写真コラージュ2点、布1点) アーティスト
・前納依里子 (ダンス・映像) 振付師・蘭陵亭子梅 (水彩1点) 妖怪書画家
古来、人類はまだ見ぬ土地を探して、また眼前に広がる海から食料を得んがため、苦心しながらも水上に漕ぎ出すための“船”を創り出し、海へと挑んできました。その果てしなくながく、広域にひろがる船の歴史のなかでは、今日のわれわれが予想だにしない形状、材質、用途により生み出された船があります。
本展では実物と写真(絵画)から、わたしたちが一般的にイメージする船とは異なる“変わった船”たちを紹介することによって、海上交通や海産物の漁獲など、世界中で人が海と密接に、かつ伝統的にかかわってきた歴史や、海とともに生きてきた海民たちの知恵を感じていただきたいと思います。
昭和40年代、三重の漁村に足しげく通い詰めた一人のアマチュア写真家がいました。彼は、愛用のカメラにこだわりのモノクロフィルムを装填し、仕事終わりに津の白塚や松阪の猟師町、鳥羽・志摩へと車を走らせました。
”「あんた、また来たんか?」”と言いながら、お葬式も飯食うてるとこも撮らせてくれた"
撮り溜めた膨大なフィルムは、しかし定年後は、自宅にしまい込んだままに・・・。去年、何十年かぶりにフィルムを取り出してデータ化をしてみました。するとそれが研究者たちの目に触れて、ちょっと驚かれることに。いまはない漁民たちの仕事ぶりや、使われなくなった漁具、失われた浜の風景を生き生きと写し取った、貴重な資料の発見となりました。
今回の写真展には、鼻谷幸太郎が、資料として鳥羽市立海の博物館と三重大学伊勢志摩サテライト海女センターに提供した1221点の中から90点を選びました。3つのテーマに会期を分けて公開します。
第一期:9月3日(土)~9月29日(木) 浜しごと
第二期:10月1日(土)~10月30日(日) 浜の子ども
第三期:11月1日(火)~11月27日(日) 浜寸景
撮影:鼻谷幸太郎
特別協力:三重大学伊勢志摩サテライト海女研究センター
以前は未知の世界であった現象や場所でも、現代では様々な事象が科学的に証明され、海のなかも深度1万メートルを超える深海まで人の目が届きつつあります。しかし、かつて海のなかは陸上とは全く異なる、神秘的な“異世界”として認識されており、人は海に人知の及ばない存在を見出し、妖怪や神仙の伝承が数多く生まれました。それは人々が海や自然そのものと日常的に接しながら、敬意と畏怖を抱いてきたことのあらわれでもあります。
本展では、妖怪や神さま、精霊、伝説上の生物などをまとめて“妖しもの”と総称し、それらを描いた絵図や民芸品、祭具、アーティストの作品などを展示するととともに、志摩半島周辺と、全国各地の伝承、妖しものがもたらす災厄から逃れるために編み出されたまじないなどを数多く紹介しながら、人と海との共生の歴史、海にまつわる信仰を知っていただきたいと思います。
1.妖しものお断り!海民のおまじないと祭礼
三重県を中心に、海上安全を願う祭りやまじない、願掛けの道具などを展示することで、海民の信仰と妖しものの関係について紐解きます。
2.三重の海の妖しもの
海女を海中に引きずり込むという“トモカヅキ”や、蜃気楼で幻を見せるという桑名(または四日市)のハマグリ、禁漁の掟を破って命を落とした男の怨念の話〝阿漕の平治“など、三重県の代表的な妖しものを紹介しつつ、説話のなかにみえる漁撈習俗についても学んでもらいます。
3.日本列島 百鬼夜航の海
全国各地に残る、海の妖しものにまつわる民話(大ダコ・龍神・海坊主・牛鬼・神社姫・平家の怨霊など)や、その裏にある先人たちからの教訓なども併せて解説し、妖しものというフィルターを通して、人と海との闘い、共生の歴史を学んでもらいます。
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主催:鳥羽市立海の博物館 特別協力:船の科学館「海の学びミュージアムサポート」
付属イベント① ”悪魔のサカナ”タコをさわって食べる
その奇妙な形状から、西欧では「デビルフィッシュ(悪魔のサカナ)」とも称され、数々の妖怪伝説のモデルにもなっているタコを触って、さばいて、身体の構造を観察しつつ、タコ焼きなどを作ります。
日時:2022年8月7日(日) 11時~13時30分場所:鳥羽市立海の博物館体験学習室
参加料:300円
定員:15名(要事前申込)
付属イベント➁ 海の怪談night
『三重の怖い話』(TOブックス)著者であるプロ怪談師の志月かなでさんを招き、海にまつわる怪談や朗読を披露してもらいます。付属イベント③ みんなで描こう妖怪ワールド
妖怪書画家の蘭陵亭子梅さんから全国各地の海の妖怪伝説についてお話を聞き、自分が想像した妖怪を自由に描きます。作品は一定期間、博物館にて展示予定です。場所;鳥羽市立海の博物館 映像ホール
パズルとトリックアートの製作集団アソビディアがお届けする、海をテーマにしたパズル展です。立体的な組木や知恵の輪、海の生きものを描いたパズル、トリックアートなど、様々なパズルを、見て、触って楽しむことができる展示になっています。本事業は、みなとの博物館ネットワーク・フォーラムの助成事業として実施します。
●遊ぶ
触って遊べるパズルおもちゃやパネルを見て考えるトリックアートが勢揃い。アソビディアオリジナルのパズルもたくさん展示します。
(展示予定)サンマパズル、マンボウパズル、タイパズル、巨大隠し絵パズルパネル など
●見る
古今東西のパズルの中から海をテーマにしたパズルを展示。多様なパズルおもちゃの世界をご覧ください。
(展示予定)カメの組木、船の組木、魚の知恵の輪 など
【ワークショップ】
ペーパーパズルや木製パズルを自分で作って持ち帰ることができるワークショップです。
日時:2022年5月3日(火・祝)、8月11日(木・祝) 10時~11時30分、13時~14時30分
場所:鳥羽市立海の博物館 ギャラリー
内容:両日とも下記の通り(所要時間:30分~) どちらかを選択してください
・「海のペーパーパズルを作ろう」 紙を編んで遊ぶパズルを2種類作ります。
・「タコの木製パズルを作ろう」 タコつぼから顔を出すタコをモチーフにした絵合わせパズルを作ります。
対象:どなたでも可(小学校3年生以下は保護者同伴)
参加料:ペーパーパズル 200円、木製パズル 1000円
申込方法:随時受付・事前申込不要(各回30名まで)
ワークショップで制作するペーパーパズル ワークショップで制作するタコの木製パズル
大漁旗は、豊漁を得たことを帰港の際に示したり、正月などめでたい時季に海上安全や豊漁を願うため船に掲げられます。その起源は明確ではありませんが、少なくとも捕鯨では江戸時代に、得漁の印として旗を立てていたようです。
現在では、単に船を豪華に彩るための飾りのような印象を持たれがちですが、本来は陸で待つ家族や仲間に大漁や無事をはやく知らせたいという漁民の想い、一年を安全に、おおいにお金も稼げるようにという願い、船の新造時などに親しい相手、大事な相手へ贈って新たな門出を祝う心が詰まった、人と人との絆を強固にする大事なものです。
本展は大漁旗の製造方法や歴史、様々な役割を紹介しつつ、荒波に挑む漁師の勇壮な姿や、海を超えてつながれてきた海民の絆、また生地やデザインを利用した、新たな大漁旗の利用方法、可能性についても知っていただく機会として企画いたしました。
大漁旗の歴史や製造方法、、図柄の特徴などについて、製造道具類や動画、絵図などで解説します。
大漁旗を使う祭礼の道具や、海民の交流を示す大漁旗、東日本大震災からの復興を願って贈られた旗などから、大漁旗に込められた人々の願いを感じ ていただけます。
大漁旗の生地またはデザインを利用した雑貨、誕生祝として贈られた大漁旗などから、大漁旗文化の新たな展開を紹介します。
波切港 四双張網漁船の大漁旗(昭和37年度) 大漁旗の製造風景 (一財)フライキプロジェクトから、震災復興を願い
(尾鷲市:万助屋の故・山本昇吾氏) ラグビーチームに贈られた旗
付属イベント① 大漁旗デザインコンテスト
募集期間:2022年4月23日(土)~2022年7月10日(日) *当日消印有効
応募方法:本展の展示室内にて応募用紙に記入して直接提出、またはホームページ上からダウンロードした用紙(A4)に記入の上、郵送して提出してください。
賞品:最優秀作品賞 1点 優秀作品賞 2点
最優秀作品のデザインから、大漁旗もしくは懸垂幕を制作し、一定期間、海の博物館の屋外にて展示します。
注意事項:必ずどこかに「大漁」の文字を入れてください。そのほか文字の有無やデザインは自由です。
なるべくデザイン面は折らずに応募してください。
応募デザインを基に旗を制作するにあたっては、主催者側にてデザインの一部を改変する可能性があります。
*応募用紙PDF
戦後初の国立公園指定となった伊勢志摩国立公園は、昨年で指定から75周年を迎えました。そこで、公園内の美しい景色、伝統的な海の祭り、自然と共生する人々の暮らしなどの魅力、価値を再発見し、広くPRするため「伊勢志摩国立公園フォトコンテスト」を開催しました。
公園の区域がまたがる3市1町(伊勢市・鳥羽市・志摩市・南伊勢町)内の6ヶ所にて巡回展を実施してきましたが、その最後として、当館ギャラリーにて展示をいたします。“伊勢志摩国立公園の父”と呼ばれ、当館の初代館長でもある石原円吉の関連資料も展示しています。
新型コロナウイルス感染拡大の状況等により、会場・会期等に変更が生ずる場合があります。入賞・入選作品の詳細はコチラからご確認ください。
主催:鳥羽市立海の博物館
共催:一般社団法人伊勢志摩国立公園協会
特別協力:船の科学館「海の学びミュージアムサポート」」
海の博物館は、1971年12月7日に鳥羽市鳥羽一丁目に海に生きる人びと(海民)の歴史、生業、文化を伝える博物館として開館しました。開館にあたり1969年頃から漁村を歩き、漁の道具、漁村の信仰や生活の用具などの有形民俗資料を収集、また漁や祭りの様子などを写真、録音、録画で記録してきました。1985年には伊勢湾・志摩半島・熊野灘の漁撈用具」6879点が国の重要有形民俗文化財の指定を受けたのを機に、現在地に移転を決め、1992年に新しい海の博物館が開館しました。2021年12月7日で、開館50年をむかえた海の博物館について、その50年にわたる歴史、建築のこだわり、収集保存している資料、調査活動や報告書なども含めた博物館活動について、紹介させていただきます。
【展示資料】 (約440点)
〈海の博物館の建築関係〉
・旧海の博物館の建築模型、新海の博物館の建築模型、建築図面(収蔵庫、展示棟)
〈受賞、表彰の記録〉
・東海テレビ賞(旧博物館)表彰状・日本文化デザイン賞の記念品 ・日本建築学会作品賞(設計者:内藤廣)の記念品・公共建築百選の記念品
〈資料の収集保管の方法など〉
・資料整理の方法(調査カードの記載など)・収蔵庫の工夫(5室の部屋の特質))
・木造船の搬入写真(収蔵庫への運搬、収納当時の写真パネル)・木造船のリスト・海女関係資料のリストなど
〈国指定重要有形民俗文化財に関する資料〉
・「伊勢湾・志摩半島・熊野灘沿岸の漁撈用具 国指定重要有形民俗文化財」の指定書
・指定に関する資料(指定調査カード、漁具図面の実物)・指定品のリスト
〈海の博物館の資料の紹介〉
・実物民俗資料 ・資料番号1のワカメマキ・伊勢湾の海図や第五福竜丸(事代丸記銘)海図・第1回水産博覧会ポスターなど
・古文書資料 ・本浦・津波文書・本浦水産取調べ書など
・古写真資料 ・櫓漕ぎ鰹舟、富士丸、南島丸など、ボラタテ、ブリ大漁など
・絵葉書資料 ・実物展示(海女の絵葉書、鳥羽志摩地方の絵葉書など)
・文献図書資料 ・実物展示(復刻版:三重県水産図説、復刻版:三重県水産図解)
・映像資料 ・実物展示(16ミリフイルム)
・切手資料 ・松平さん寄贈切手の実物展示
・新聞切り抜き資料 実物展示(海の汚染NO.1、海の博物館NO.1など)
〈体験学習の活動〉
・体験学習活動の紹介(室内体験と野外体験の紹介パネル) ・体験学習の成果物の展示品 貝紫染め資料、海藻おしば資料など
〈海の博物館からの発信〉
・海の博物館設立宣言 ・SOS運動の呼びかけ
〈海の博物館年報「海の人間」他の印刷物〉
・実物の展示1号~32号の32冊の実物展示(各号の研究報告のリストも)
・SOS運動「SOS いま救え!われらいのちの海を」1号~200号 の実物展示
・うみとにんげん&SOS 1号~34号 の実物展示
〈海の博物館の紹介資料他〉
・入場券(旧海の博物館、新海の博物館で使ったもの)・海の博物館のパンフレット(旧海の博物館、新海の博物館で使ったもの)
・海の博物館の特別展、企画展、写真展等のイベント開催を紹介したチラシやポスター他
〈海の博物館関係の出版物〉
〈特別展の図録〉 『里海「伊勢湾」を救え! 生きものたちからのSOS』(2002年9月発行)など
〈各種調査報告〉
『日本列島沿海における「船競漕」の存在分布調査報告書』財団法人東海水産科学協会・海の博物館 2001(平成13)年3月31日など
〈海の博物館の紹介誌〉
『SEA-FOLK MUSEUM 海の博物館 1985-1992』内藤廣 石元泰博 1993年1月発行
『伊勢志摩72 特集・潮騒の聞こえる博物館』 伊勢志摩編集室 1993(平成5)年4月1日
〈芦浜原発関連新聞切り抜き帳など〉
『われら<漁民>かく斗えり! ―芦浜原発反対斗争資料集 昭和38年12月~昭和42年9月』 海の博物館・編集
本展覧会は,青い石で空間が創られた漁村に着目し,三重県鳥羽市の離島,和歌山県和歌山市和歌浦湾域,愛媛県伊方町の3地域の漁村を建築学の側面から紹介するものです。これらの地域は中央構造線上に位置し,青石(緑色片岩)が多く露出することから,様々な青石の使われ方で漁村空間が形成されているのが特徴です。青石の創り出す漁村の街並みや路地,石垣,民家などを図面・写真・スケッチ・地形模型(1/1000)などで展示しながら,異なる地域で同じ素材がどのように使われているのか,その空間の類似性と差異性を見出しながら,各地域の漁村の魅力をご覧いただければと思います。同時に今後の漁村のまちづくりを様々な切り口から議論する講演会やシンポジウムも開催し,漁村の新たな方向性や価値観を共有する機会となることを企図しています。
主催:文脈のカタチ研究会
共催:鳥羽市立海の博物館
協力:鳥羽市教育委員会、三重大学海女研究センター
—展示漁村-:
三重県鳥羽市 :神島,菅島,答志島,坂手島
和歌山県和歌山市 :雑賀崎
和歌山県海南市 :塩津,戸坂
愛媛県伊方町 :名取,串,与侈
・1/1000地形模型:各漁村がどのような地勢の中で立地しているのかを模型で展示します。
・スケッチ :路地や民家,石垣,井戸など特徴的な箇所をスケッチで説明します。
・図面 :漁村集落全体の図面や断面図などを用いて漁村集落の特徴を説明します。
・写真 :各漁村の魅力的な場所を実測し,寸法を記入した写真を掲載します。
【講演会スケジュール】Zoomでの同時開催
●9月19日(日)ギャラリートーク「青の空間」臨時休館中のため、会場には入場できません。展示会場よりZoomでのLIVE配信となります。
本展覧会のコンセプトのアイデアの生みの親である藤沢健太先生をコメンテーターにお迎えし、漁村の空間や地形の魅力について語り合います。
出演:下田元毅(大手前大学講師)、宮崎篤徳(漁村研究者)コメンテーター:篠沢健太(工学院大学教授)、江端木環、山本翔也、釜谷薫平(大阪大学大学院)
時間:14時~ギャラリートーク 15時10分~座談会 16時終了予定
●10月30日(土)講演会「建築家の翻訳力~建築と漁村空間」
漁村で建築作品を手がけた建築家を招いた講演会
時間:13時~16時30分 講演者:貝島桃代(建築家/アトリエ・ワン/筑波大学准教授)、前田茂樹(GGDL/神戸芸術工科大学客員教授)湯谷紘介(湯谷建築設計)、下田元毅(大手前大学講師)
●11月14日(日)講演会「鳥羽の離島:漁村空間の価値」
展覧会に即した講演会。鳥羽の離島にフォーカスし、建築学からみた漁村の魅力について講演します。また建築・地域計画の観点から10年後の鳥羽離島の漁村まちづくりに向けた討論をおこないます。
時間:13時~15時30分 講演者:下田元毅(大手前大学講師)、宮崎篤徳(漁村研究者)、大井隆弘(三重大学助教)縣拓也(海の博物館学芸員)
●11月20日(土)座談会「ボクらの漁村のミライ図#若手の若手#10年後#漁村」漁村をフィールドに活動、卒論、修論に取り組んだ20代の社会人による座談会。若い世代が2031年の漁村にむけた提言を行います。
※9月18日より日程変更となりました。
●11月21日(日)事例紹介「漁村の魅力-見つけ方/活かし方/残し方」
漁村をフィールドに研究・調査・実践活動を行う学者による連続講演会。全国各地の漁村の取り組みや活動紹介を通して鳥羽漁村の魅力にせまる。
時間:13時~17時 講演者:中村欣一郎(鳥羽の漁村)、下田元毅(三重県尾鷲市九鬼)友渕貴之(岩手県気仙沼市大沢)、青木佳子(和歌山県和歌山市加太)、佐藤布武(宮城県石巻市桃浦)、吉村真衣(三重県鳥羽市)
今は昔、海の向こうからやってきた
津々浦々、民話や伝承に残る形跡
トバリ族の史料と作品が漂着する
私たちは時代の大きな転換期にいるという。しかし、一体どのような未来に向かうのだろうか。果てしない未来を考えた時、未知の古代にも想いを馳せる。神話や民話、和歌などは活字だけでは理解し得ない領域があり、現代の認識とは大きく異なるのかもしれない。絵や音などを作る行為は、見えない歴史に触れる手段のひとつだ。
ダダオ (グラフィックデザイナー)
CD・レコードのアートディレクションを中心に、多種多様な媒体のデザインを手がける。2014年からは伊勢鳥羽を拠点に活動。
特設サイト dadao.jp
Instagram @dadao.jp
付属イベント① わたしのお守り
7月31日(土)13:00~16:00
展示場で解説後、小白浜へ行き漂着物を見つけます。それらを組み合わせて自分だけの海のお守りを作ります。その作品は会期中展示します。
定員/10名程度(要事前申込、小学生以上対象)持ち物/濡れてもよい靴、帽子、水分等
付属イベント ➁わたしのトバリ族
8月15日(日) ①11時~ ➁13時~ ③14時~ ④15時~
布に漂着物や貝がらをつけて、あやつり人形を作ります。完成したらトバリ族となって館内を歩いて遊びます。
定員/各時間帯4名(要事前申込者優先、小学生以上対象)
付属イベント③ トークショー「わたしの漂流と発見」
8月28日(土)毎日 13:00~14:30
広大な海から漂流物を発見するように、まだ誰にも見つかっていない情報や物事に焦点を当てるトークショー
定員/30名程度(要事前申込み)
■下道基行
1978 年、岡山生まれ。2001
年武蔵野美術大学造形学部油絵科卒業。写真や文章を表現手段に、モノ/コトの残り方/消え方や、目の前に広がる風景の在り方に興味を持ち、旅やフィールドワークをベースに、 数多くの展示や出版等で表現を続けている。香川県直島在住。
■山下陽光
1977 年、長崎生まれ。高円寺の古着屋「素人の乱シランプリ」元店主。「途中でやめる」という名前の服を発表するかたわら、戦後原爆ドームの前に出来たアトム書房の調査など、インターネットに転がるユニークな情報を探り、現代に接続する様々な活動を行なっている。福岡県福岡市在住。
変化に富んだ美しい風景と伝統的な文化、慣習に彩られる伊勢志摩国立公園は、1946年に指定され、2021年で75周年を迎えます。開館50周年を迎えた当館の初代館長である石原円吉は、指定に大きく寄与したことから「伊勢志摩国立公園の父」と呼ばれており、海の博物館とも深い縁がある国立公園です。
指定後はもちろん、それ以前から伊勢参りや周辺の景観、さらに豊かな海の幸を楽しもうと、多くの人々が訪れ、伊勢志摩の海を満喫してきました。そこで購入する土産品は、旅行者や周囲の人々に当地域の海の魅力を伝える役割を果たしてきました。
そこで伊勢志摩地方の土産品を通じて、そこに反映された地域の海洋文化、景勝の美しさなどを感じ、それらを如何にして守ってゆけばよいか考えていただくべく、本展を企画しました。
※なお内容については、今後の新型コロナウイルスの流行状況を鑑みたうえで、変更となる場合があります。
ⅰ.海の幸あふれる伊勢みやげ
神宮のある伊勢は全国から多くの来訪者を集めてきたため、周辺の海からあがった海産物が運び込まれて旅人の需要を満たし、それらは伊勢の名物として認識され、「伊勢みやげ」と称されました。
ここでは参宮客に喜ばれた海の幸、伊勢御師が全国へもたらした海産物をテーマとし、海の資源をながく利用してきた歴史、海によって支えられてきた食文化などについて学んでいただきます。
ⅱ.パンフレットと絵葉書でめぐる伊勢志摩
近代以降は印刷技術の発達とともに、色鮮やかなパンフレットや絵葉書が一般に広く流通し、伊勢志摩の海に惹かれた多くの人を当地へといざないました。
本章では明治から昭和初期にかけて、伊勢志摩地方を紹介するパンフレットや絵葉書、そこに掲載された多様な海の習俗を紹介するとともに、景観や自然などを保護・保全し、海の魅力を発信する役割も果たしてきた伊勢志摩国立公園のあゆみについても紹介します。
ⅲ.貝と真珠の伊勢志摩みやげ
伊勢志摩地域ではかつて、真珠や貝を使った民芸品がみやげ品の定番として定着し、旅行者は当地域の住民と海が密接に関わってきたことを実感してきました。
ここでは美しくおもしろい貝細工・真珠細工の実物や、製造・加工道具を展示し、海からの恵みが当地域の産業・観光・経済を支え、伊勢志摩の海のイメージを作り上げてきたことを知っていただきたいと思います。
ⅳ.伊勢志摩みやげのいまとこれから
現代は旅行者の好みや旅のスタイルの変化、新型コロナの流行なども相まって、伊勢志摩でも環境に応じた新たなみやげが次々に登場しています。
本章では現代に親しまれている伊勢志摩のみやげ、近年登場してきた品のトレンドを紹介することにより、新たな伊勢志摩の海の魅力を伝え、今後の名物の開発などにも役立つような展示を目指します。
付属イベント ① 伊勢志摩国立公園フォトコンテスト
募集期間:2021年5月1日(土)~9月15日(水)
テーマ/「伊勢志摩国立公園の海」 景色や祭り、漁業など当地域の海に関連する写真をご応募ください。。
サイズ/4ツ切(ワイド4ツ切)またはA4サイズ(プリント応募のみ)
*募集要項の詳細はこちらからご確認ください。
伊勢志摩国立公園フォトコンテスト応募要項PDF
*応募作品の裏面に、こちらからダウンロードした応募用紙を貼付してください。
伊勢志摩国立公園フォトコンテスト応募用紙PDF
付属イベント ② 真珠貝で貝細工をつくろう!
7月4日(日)1)11:00~12:00 2)13:30~14:30
真珠養殖に使用されるきれいな貝殻からできたパーツを組み合わせて、オリジナルの模様や絵を作り、額装します。
定員/各回10名(要事前申込、定員に達していなければ当日参加も可)
付属イベント ③真珠でブレスレットをつくろう
7月24日(土) 1)11:00~12:00 2)13:30~14:30
真珠の魅力や謎などあれこれ楽しいお話を聞きながら、真珠やそのほかのパーツを使って、世界に一つだけのブレスレットを作ります。
定員/各回最大10名(1組5名以内にて3組まで、要事前申込)
付属イベント④ 貝殻でマグネットつくり
7月25日(日)~8月22日(日)毎日 10:00~11:30 13:30~15:00
貝殻やサンゴ、真珠の核など海のものを材料にして、マグネットを貼り付けた台紙の上に自由に作品を作ります。作品はすぐに持ち帰ることができ、冷蔵庫に貼るなどして普段から使用してもらうことができます。
石井さんにとって漁港にある何気ない景色や漁具、サビやゴミなどはすべて宝物。海辺の宝さがしを永遠のテーマに、作品作りに取り組まれています。漁港にある色彩や造形美を、石井さんならではの独特の視点でとらえた写真を展示します。。
菅島は、鳥羽の港の東約3キロに位置し、島は東西に広く、南北に狭い細長い島です。島の総面積4.52㎢、周囲(海岸線の長さ)13キロ、地形は最高峰237㍍の大山を中心に、サカデン山、ボシ山など200㍍級の山々が連なっており、集落は島の東北岸に密集、海岸線から根村谷、中村谷、東谷という3つの谷に沿って延びています。
古くは海女漁や一本釣り漁が島の漁業の中心でしたが、近年はノリやワカメの養殖業も盛んに行われています。また、秋から冬にかけては北西の風がよく吹き、漁港周辺ではアラメやワカメ、アジ、ハギなどの海藻や魚介を干す素朴な風景がみられます。
島には、古より多くのの年中行事が伝わっており、特に鳥羽・志摩を代表する海女の祭り「しろんご祭り」はひろく知られています。他に、正月11日の「船祝い」、17日の「弓祭り」、7月14日の「天王祭り」、8月31日の「じんじん船」などもおこなわれます。
日本に残るレンが造りとしては最古の菅島灯台、監的所跡、しろんごの浜などをめぐる遊歩道も整備され、島の観光名所を小学生が案内する「島っ子ガイド」が人気の島です。島の南部からは良質の「かんらん岩」がとれることから、昭和3年より採石作業が始められ、現在もその採石作業は続いています。
そんな菅島について「海女漁」や「一本釣り漁」の移り変わり、「年中行事」、「名所・旧跡」なども含めて、海の博物館に収蔵している資料や今回の展示を開催するにあたって収集した古写真などを使って紹介します。
鳥羽市石鏡町の海女と東京都千代田区神保町にある海女の浮世絵という伝統文化・芸術からインスピレーションを受けて制作した作品の展覧会です。
Exhibitions of artworks inspired by living culture of Ama divers of Ijikacho(Toba-city), and historical depictions of Ama in the Ukiyoe prints of Jimbocho(Chiyoda-ku,Tokyo)
約3000年という長い歴史を持つ「海女」。
海女はなぜ、これほど長く漁を続けることができたのでしょうか?
今の時代、私たちが新しい生き方を探求するとき、自然の中で共同体を大切にし、持続可能な生活を送る海女たちから影響を受けた作品は、私たちに新しい気付きを与えてくれるかもしれません。
縄文遺跡から出土したアワビ殻やアワビオコシ、奈良時代の「万葉集」、平安時代の「枕草子」などから、その足跡をたどることができます。
時は流れ江戸時代、日本が誇る芸術として誕生した「浮世絵」にも海女が描かれました。江戸時代の浮世絵師たちは、類なる潜水技術を持つ海女に魅力を感じ、創造を膨らませ作品を制作しました。東京神保町の古書店には、海女が描かれた浮世絵が今もねむっています。
現代のアーティストたちは、鳥羽市石鏡町で、自然と寄り添いながら漁を続ける海女たちに出会い、何を感じるでしょうか?
With a history of over 3,000 years, why have Ama divers been able to continue for such a long time?
Are there new insights to be gained of ways to live with nature,by conveying the charms of Ama diver culture through artworks inspired by Ama related culture and art.
Ama culture can be traced through history from tools and abalone shells discovered from the Jomon era (14,000–300 BCE), and mentions in poems of "Manyoshu" of the Nara period (710-784) and "The Pillow Book" of the Heian period (794 to 1185).
Ama divers were also depicted in ukiyoe prints of the Edo period(1603 – 1868), and original prints of Ama can be discovered lying hidden in the rare bookstores of Tokyo’s Jimbocho.
In this project, what will the artists’ response be when they meet Ama divers in Ijikacho living in tune with the seasons, and when they see Edo period Ukiyoe prints in Jimbocho inspired by Ama divers of the past?
①石鏡町展示会場 Ijikacho Venues
2021年1月23日(土)~2021年3月31日(水)
海女の浮世絵にインスパイアされた平面作品を展示します
②石鏡町展示会場 Ijikacho Venues
2021年1月23日(土)~2021年3月31日(水)
石鏡町の海女にインスパイアされたインスタレーション作品を展示します
③石鏡町展示会場 Ijikacho Venues
2020年7月18日(金)~2021年3月31日(水)
石鏡町の海女にインスパイアされた平面作品を展示します。
神保町展示会場 Jimbocho Venues
2021年3月16日(火)~2021年3月31日(水)
海女の浮世絵とそれに関連する平面作品を展示します。