開催終了

阪本博文写真展『海、なりわい etc.』

特別展示室

2024.10.6(土)~ 2025.1.13(祝•月)

阪本博文写真展『海、なりわい etc.』

なりわい(生業)とは働くことですが、生きるための糧を得るという意味で非日常である祭や伝統にまで思いはひろがりました。

ゆたかな海からの糧、わたしたちはどれほどのものを海からもらったのだろう。

そしてどれだけのものをどんな姿で、海に返すことができるのだろう。

伊勢湾・志摩半島・熊野灘、三重県の海岸線は約1000キロ、海藻が生い茂り、さまざまな魚介類がとれる豊かな漁場がありました。しかし近年の温暖化による磯焼けなどの影響によって、年々あらゆる漁獲物が減少しています。春の風物詩であったコウナゴ漁は、ここ9年ほど禁漁が続いていますし、アワビが食べる海藻のサガラメ(アラメ)、アワビも志摩半島では南からほぼ姿を消しつつあります。

今回展示している作品は、2006年から2023年の間に撮影され、阪本さん自身が記憶にとどめるべき「海のなりわい」の様子です。伊勢湾・志摩半島・熊野灘、とれる魚種やとれる季節、それぞれの漁村で特徴があります。そんな漁村のさまざまな変化を憂いながら、「海のなりわい」の厳しさ、たくましさ、また喜びを長年漁村と向き合ってきた阪本さんの作品から感じていいただければと思います。