開催中

写真展「海女たちのまなざし~鳥羽志摩、昭和の海景~」

2025.10.4(土)~2026.1.12(月・祝)

会期延長1.20(火)までご覧いただけます。

会期中の休館日:2025.12.26(金)~12.30(火)

 

1971(昭和46)年の開館以来、海の博物館は、海女について広く深く調査、研究してまいりました。海女の漁法のみならず、その習俗、慣習、風習など多岐にわたります。それらの調査の過程で撮りためてきた写真や映像資料は30,000点を超え、その大半が三重大学海女研究センターによりデジタルアーカイブ化されました。なかには博物館の学芸員だけでなくプロ、アマ問わず外部の写真家が撮った写真も含まれています。

そこで、アーカイブ活用の一端として、写真集を発行することになりました。鳥羽在住のグラフィックデザイナーを編集に迎え、海女の内面の美しさや人間的な豊かさをより視覚的に伝える一冊を制作しました。これまで博物館が文字を使って海女を伝えてきたものとは一線を画します。博物館所蔵資料から抽出し、海女だけをまとめた写真集はこれが初めてです。

写真集発行を記念し写真展「海女たちのまなざし~鳥羽志摩、昭和の海景」を開催します。写真集に掲載される写真から視覚的により訴える40枚を展示します。写真は、昭和時代のものが中心で、白いイソギを着る海女さんの姿、木造船をあやつるトマエ、藁で囲われた海女小屋、海女たちと過ごす子供たち、当時の景色は約半世紀を過ぎた今も、海女自体に大きな変化をもたらしていないことへの新鮮さや、今の時代にとって大切なものがあるのではないかということを伝えています。海女さんを取り巻く海の環境は、大きく変わってきています。最近では、資源の枯渇による収入減も大きな問題です。ただ、海女さんはそんな環境の変化に臆することなく、たくましく生きています。半農半漁、民宿を営んだり、観光海女として活躍したり多様な生き方ができるのも海女の生き方の魅力の一つです。

海女にとって大切なことは、漁の安全であり、アワビやサザエがたくさん獲れることであり、海女小屋でのおしゃべりや子供達が元気に育つこと。自然相手に生きる海女たちのあり方はぶれることはありません。水中での過酷な作業とは裏腹に、「海が好き、漁が好き、好きなことをして稼げるのが楽しい」と笑顔を見せる海女たち。とても真似できませんが、自分たちの仕事に誇りを持ち、我が道を堂々と歩む海女を羨ましくも思います。

今回の写真集、写真展は、海女に関する博物館活動のほんの一部ですが、今後も海女さんを身近に感じられる環境に感謝しつつ、海女さんたちを追い続けたいと思っています。そして、皆様には、志摩半島が豊かで大らかであった時代の海女たちに思いを馳せていただければ幸いです。



助成:公益財団法人岡田文化財団

協力:伊勢志摩国立公園協会、大豐和紙工業

鳥羽ストーリーズ・アートプロジェクト「海女と芸術文化」

2026.1.24(土)〜3.22(日)

女子美術大学の学生と教員による作品と文章の展覧会

第5回目となる「鳥羽ストーリーズ・アートプロジェクト」は、アートの力を通して多くの人々が海女文化に触れることを目的としています。

素潜りで漁をおこなう「あま」の起源は、2000年以上前にさかのぼります。現在鳥羽市は日本一の海女の数を誇る地域でありますが、近年海女の数の減少が進んでいます。

そこで、私たちは、力強い女性が導き、受け継いできた鳥羽の海女の伝統と、女子美術大学の学生をつなぐことで、インスピレーションを得るとともに、このプロジェクトを記録した展覧会と書籍で、より多くの人に海女文化について知っていただきたいと考えています。

展示作品は、芸術文化などを学ぶ女子美術大学の学生と教員が、2025年の10月に5日間、鳥羽市に滞在した際のフィールドワークから着想を得て制作されました。フィールドワークでは、海に関する調査をし、海女さんからお話を伺い、暮らしを直接体験し、鳥羽市立海の博物館、海女小屋や海士潜女神社がある国崎町の重要な場所も訪れてリサーチを行いました。

5日間の滞在を終え、大学に戻った後は、個人の作品制作と、国崎町の独自の海女文化を国内外に発信するための展覧会を作り上げるグループワークを行いました。

展覧会と書籍には、国際芸術文化専攻の学生や関係者による文章を掲載し、海女の文化とプロジェクトについて、さらに深く理解できるように構成しました。

 

*オープニングトークイベント

2026124日(土)11時~12

*本の出版イベント

202637日(土)13時~14